事業承継とは?中小企業の経営者が知っておくべき基礎知識

中小企業における経営者の高齢化に伴い、「事業承継」に対するニーズは年々増大しております。
「事業承継」とは、会社の経営を経営者から後継者へと引き継ぐことを意味しますが、経営者にとって会社を継続させていくうえで、「事業承継」は避けては通れない課題と言えます。
このように「事業承継」とは企業経営において極めて重要なテーマであるにもかかわらず、漠然と理解されているケースが多く、具体的にどのようなものかを把握している経営者はあまり多くはありません。
この記事では、中小企業における「事業承継」について詳しく解説していきます。



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事業承継とは?

事業承継とは

「事業承継」とは、前述の通り、会社の経営を現在の経営者から別の後継者へと引き継ぐこと。
引き継ぐという意味の熟語には、「承継」の他に、「継承」もありますが、「事業系衣装」とは呼ばず、「事業承継」が一般的です

ちなみに、「承継」と「継承」という熟語には、以下のような違いがあります。

 
  • 「承継」…地位・事業・精神などを引き継ぐこと。
  • 「継承」…身分・権利・義務・財産などを引き継ぐこと。

つまり、「事業承継」では、会社の経営権や資産だけでなく、経営者の想いや経営理念、会社の文化なども引き継ぐのです。

中小企業においては、オーナー経営者の手腕や人柄がその会社の強みや魅力となっていることも多いため、後継者が誰になるかというのは極めて重要です。慎重に検討して選ぶ必要があります。

中小企業における事業承継の現状

2020年3月31日に中小企業庁が策定した「中小M&Aガイドライン~第三者への円滑な事業引継ぎに向けて~」には、中小企業の後継者の現状について、以下のような記載があります。

 

日本全体において、令和7年(2025年)までに、平均引退年齢である70歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人、うち約半数の約127万人が後継者未定と見込まれている。

引用:中小企業庁(2020年3月31日)「中小M&Aガイドライン~第三者への円滑な事業引継ぎに向けて~」

つまり、これから5年以内に経営者がリタイアする可能性のある企業のうち、約半数は後継者が決まっていないということ。

後継者が決まっていない中小企業が、このまま何の対策も講じなければ、廃業を選択せざるを得なくなりますが、もし仮に上述した127万の企業が廃業に追い込まれてしまった場合、雇用喪失や連鎖倒産を招き、日本社会全体に大きな影響を与えかねません。

このように、日本は現在、いわゆる「大廃業時代」を迎えているため、中小企業における事業承継は喫緊の社会課題となっており、円滑な事業承継の実現が今後の日本経済の行方に大きく左右すると言っても過言ではないのです。

事業承継の種類

親族内承継(子息等に承継する)

子息等の親族が承継する

相続などの観点からも、最も望ましいのが子息等の親族への事業承継です。
20年以上前であれば、この子息等の親族への承継が事業承継全体の9割以上を占めていましたが、既にお伝えした中小企業の後継者の現状からもわかるとおり、後継者不足によって親族への承継は減っており、現在は、全体の6割を切っています。

後継者不足の主な理由としては、高校を卒業したら大学に進学するというのが一般的になった結果、親が会社を経営していても、子息は大学卒業後に大手企業に就職したり、医師や弁護士、公認会計士といった専門職に就くなど、後を継ぐことを前提としない人生を歩むケースが増加したことが挙げられるでしょう。
経営者である親が子息に継いでもらう前提でいたとしても、親の苦労を近くで見てきたことなどから、子息本人には全くその気がないというのはよくある話です。

親族外承継(自社役員・社員に承継する)

親族外の自社役員・社員に承継する

子息等の親族への事業承継ができない場合、次に候補として挙がるのが自社役員・社員への承継です。

しかし、これは主に資金の面で、かなり困難な選択肢となる場合が多いです。
というのも、黒字企業で無借金経営などの場合、譲渡価格が高額となるため、後継者にとって購入代金の調達が難しくなります。
一方、借入金の大きな企業の場合、譲渡価格は比較的低く抑えられますが、借入の連帯保証や担保提供で不足が生じるのが一般的で、仮に連帯保証や担保提供の能力があっても、後継者候補にそれを背負う覚悟がなく、結果として断念してしまうケースも多くあります。
つまり、自社役員・社員への承継は、よほど資産を持った人がいなければ難しいということになります。

また、仮にそのような役員・社員がいたとしても、そもそも、その人に経営能力があるかという問題もあります。部下としては非常に優秀であっても、経営者として同様に優秀とは限りません。冷静に考えた結果、後継者として任せられないと、事業承継を諦めるケースも多いようです。

M&A(第三者企業に承継する)

M&Aで第三者企業に承継する

子息等の親族や親族外の自社役員・社員への事業承継ができない場合、残る選択肢は、M&Aによる第三者企業への事業承継です。
M&Aによる第三者企業への事業承継では、従業員の雇用や取引との取引関係を維持できるのはもちろん、売り手側と買い手側の双方の資本や人材、ノウハウ、販路を活用して、両者をより大きく発展させることができる可能性もあります。

日本では、まだまだ社外の第三者へ会社を譲ることに抵抗感があり、身内に事業承継できない場合は「廃業」を選択する経営者も多いようですが、「廃業」を選択すると、従業員は、働き口を失ってしまい、取引先にも多大な迷惑をかけてしまいます。

また、第三者への事業承継は、「廃業」と比べて、日本経済にも圧倒的な利益をもたらす引退方法であるため、中小企業庁もM&Aによる事業承継を推進しており、中小企業におけるM&Aの実施件数は年々増加傾向にあります。

中小企業庁による事業承継の支援施策等については、こちらのページをご覧ください。

事業承継で失敗しないために

ここからは、事業承継で失敗しないために押さえておくべきポイントをご紹介していきます。

早めに着手する

事業承継には、後継者の選定や後継者の育成・教育、業務の引継ぎなど、実行までに10年程度を要すると言われています。
まずは、経営者として、事業承継に向けた準備の重要性を十分に認識すること、そして、平均引退年齢が 70 歳前後であることを踏まえて、60 歳頃には事業承継に向けた準備に着手することがポイントです。
「誰に、いつ、どのように」事業承継するかという方針をしっかりと決め、後継者の確保を含む準備に早めに着手することで、円滑な事業承継の実現が可能となります。

早めに相談する

事業承継の必要性は分かっていても、初めてのことで何から手を付けていいのか分からないもの。
まずは、顧問の公認会計士・税理士や取引金融機関、公的支援機関など、信頼の置ける相手に相談してみましょう。会社の将来について、一緒になって考えてくれるはずです。

親族や役員・社員への承継を漠然と考えている場合であれば、親族や後継者候補自身と話をしてみることも重要です。
「継いでくれるはず」という思い込みから生まれる認識の齟齬を早めに解消しておくことで、円滑な実施に繋がります。

また、後継者が未定、あるいは不在であるという場合であれば、弊社をはじめとする民間のM&A仲介会社や各都道府県に設置されている事業引継ぎ支援センターに相談してみましょう。
仮に相談の結果、M&Aによる第三者企業への事業承継を選択すれば、お相手探しは全て「ご縁」です。良縁を逃さないためにも、早めの相談が大切です。

以上のように、事業承継に取り組んでいくにあたっては、とにかく「早めの相談」がポイントです。まずは信頼の置ける相手に相談してみましょう。

まとめ

事業承継は、大半の方が初めてですので、わからないことばかりで当然。わからないからこそ、早めに身近な人や専門家、取引金融機関に相談し、疑問や悩みを解決するのがおすすめです。

弊社「信金キャピタル」は、事業承継の中でも、M&Aのご支援を行っております。M&Aによる事業承継をご検討中の方は、ぜひ、直接、または、お取引のある信用金庫経由で弊社へご相談ください。
担当者がご指定の場所へ出向き、無料でご相談をお受けいたします。もちろん、相談内容についての秘密は厳守します。

ご相談いただいた方のうち、後にM&Aを決断されて当社にご依頼いただくのは、1~2割程度です。大半の方は、「頭の整理ができて助かった」とのお言葉を頂戴して帰られます。ご相談いただいたからといって、必ずしもM&Aによる事業承継を行う必要はございません。

事業承継は、「早めの相談」が良い結果をもたらします。まずは、お気軽にご相談ください。