M&Aの最適なタイミングはいつ?

M&Aには、最適なタイミングというものがあります。タイミングが良いと、思った以上に高い価格で譲渡・売却できたり、思いもよらないような最良の相手とめぐり逢うことができますが、逆にタイミングを誤ると、価格が想定の半分以下になってしまったり、譲り受けてくれる相手が1先も見つからず廃業に追い込まれてしまうことも。
この記事では、M&Aに最適なタイミングはいつなのか、会社の譲渡・売却による利益を最大化させるためのポイントと合わせてご紹介していきます。

 

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M&Aの最適なタイミングはこんなとき!

〇〇歳になったら、会社の譲渡・売却について考えようという経営者様が多いようですが、残念ながら、年齢を基準にM&Aのタイミングを決めるのはベストとは言えません。
では、M&Aを行うのに最適なタイミングとはいつなのでしょうか?

タイミング①会社の業績が良いとき

会社の業績が良いときに、M&Aの検討を始めることがポイントです。
経営者という立場から見れば、「業績が良いのに、何で会社を手放さなれければならないのか?」と考える方も多いと思います。

しかし、利益を最大化する、最適な相手を見つける、といった観点から考えると、業績が良いときの方が会社としての価値も魅力も高まるため、M&Aがより良い結果につながる可能性が高まります。
買い手側の立場になってみると分かりやすいと思いますが、売り手側の企業がいくら優れた技術やノウハウを持っていたとしても、売上低迷や営業赤字が続いていたり、業績回復の見通しが立たなければ、その企業を「買収したい」「譲り受けたい」とは思いづらくなるはずです。
そのため、業績が良いからといって会社の譲渡・売却について全く考えないということはせず、M&Aという手段を、会社の未来を考える上での選択肢の一つとして置いておくと良いでしょう。

タイミング②体力の衰えを感じたとき

高齢化により、経営者自身が体力の衰えを感じるようになったタイミングも、事業承継やM&Aについて検討を始める一つの目安となります。
ポイントとしては、病気などが発覚する前、つまり、なるべく健在なうちに検討する、ということです。

いずれは会社を誰かに譲り渡すとしても、できる限り長く、自分で経営を続けたいという方も多いと思います。
しかし、体力が落ち切ってしまったり、病気を患ってしまったり、現場に出ることが困難になってからM&Aの準備をするのでは遅すぎます。M&Aという、会社にとっても自身にとっても重大な決断であるにもかかわらず、横から口を出すことしかできません。

そのため、健康に問題が生じる前のタイミングで完全引退できるように考え、遅くとも引退予定の数年ほど前から、M&Aの準備を始めるのがベストです。

健在なうちに完全引退することをおすすめする理由は、M&Aに関与できなくなるからだけではありません。 もう一つの理由は、経営者の意欲に、会社の業績が比例するからです。
病気の悪化や体力の低下に伴って、経営に対する意欲が薄くなってくると、徐々に会社の業績も落ちていきます。タイミング①「会社の業績が良いとき」でもお伝えした通り、会社の業績が下がれば、必然的に会社の価値や魅力も下がってしまいます。
経営者が現場に出ている全盛期の頃と、その後、経営意欲が低下して、現場にあまり口出ししなくなってからでは、譲渡価格が半分以下になってしまうことも。

まだまだ元気だけど体力の衰えを感じ始めた、「ちょっと早いかな?」と思うくらいでM&Aの準備を始めるのが、譲渡・売却によるメリットを最大化させる最適なタイミングなのです。

タイミング③好景気のとき

当たり前ですが、買い手側が多くなるのは、好景気のときです。
買い手側が多い場合、買い手候補先同士が競って買収価格を吊り上げるため、思った以上に高い価格がつくことがあります。
また、好景気に伴う余裕資金の増加により、これまで買収を考えてこなかった企業も、買収に対して積極的な姿勢を見せるようになり、売り手側としては、より多くの候補先の中から相手を選定することができるようになります。

しかし、好景気は、長く続くものではなく、突如、終わりを迎えます。もちろん、景気が悪くなると、買い手側は一斉にM&Aから手を引き始め売り手側が多くなる、つまり、需要と供給の逆転が生じます。その結果、相手が見つからずM&Aが成立しない、または、成立しても、最も景気が良いときの半分以下の価格で会社を譲渡・売却することになってしまうのです。

普段から国内の景気動向を注視し、景気に合わせて譲渡・売却のタイミングを見極めること、加えて、スタートダッシュと欲を出しすぎないことがポイントです。

タイミング④業界再編の動きが出てきたとき

業界再編とは、競争が激化した業界、または、市場が縮小した業界において、各企業がマーケットシェアの拡大や経営の効率化を目指したり、さらには企業としての生き残りを図ったりすることで、業界全体の勢力図や競争環境などが大きく変わることを意味します。

業界再編が始まるきっかけはいくつかあります。分かりやすいのは、法改正によるもの。例えば、2009年の薬事法の改正や2015年の労働者派遣法の改正などがこれに当てはまります。
また、法改正以外にも、インフレ・デフレや為替変動などの経済的要因に加えて、人口減少や少子高齢化、ライフスタイルの変化といった社会的要因、地震や台風、新型コロナウイルスなどの突発的要因、その他にも技術革新などが挙げられます。

業界再編が始まると、買い手側も売り手側も多数集まるようになり、M&A関連のニュースが飛び交うようになります。ニュースとして取り沙汰されるのは、上場している大企業ばかりかもしれませんが、中小企業も例外ではなく、どんどん業界再編の波に飲み込まれていきます。
業界再編の動きに乗ってM&Aを行うなら、業界再編が始まったタイミング、つまり、買い手側の企業が積極的に買収に乗り出すときに動き始めなければ、あっという間に乗り遅れてしまいます。
景気と同じで、業界再編も長く続くものではなく、いつの間にかピタッと止まります。この段階まで行くと、会社を譲渡・売却しようと思っても、買い手も価格もつかなくなってしまうのです。

普段から自社が属する業界の情報をしっかりと集めるとともに、業界再編の動きを察知した際に瞬時に動けるよう準備しておくことが重要です。

会社売却の利益を最大化するために

ここからは、会社の譲渡・売却による利益を最大化させるためのポイントを、いくつかご紹介していきます。

ポイント①早めに動き出す

事業承継問題の解決手段としてM&Aという選択肢が出たら、すぐに動き出すことが重要です。

M&Aによって会社を譲渡・売却するには、およそ1年かかります。
その内訳は、買い手側の企業とのマッチングに約半年、条件交渉や買収監査、最終契約等の手続きに約半年です。
さらに、M&A成立後の引き継ぎにも、相応の時間を要します。
前述しましたが、「ちょっと早いかな?」と思うくらいが、準備を始めるベストタイミング。M&Aにおいて、遅すぎてタイミングを逃すというのはありますが、早すぎてタイミングを逃すことはありません。

また、タイミング③「好景気のとき」やタイミング④「業界再編の動きが出てきたとき」を狙うのであれば、少なくとも、ここぞという最適なタイミングでは、既に買い手候補先を探していて、すぐにでも条件交渉に入れるような状態になっておく必要があります。

常にアンテナを張って、M&A市場や自社が属する業界の情報を仕入れつつ、きっかけを見つけたらすぐに動き出せるよう、準備をしておきましょう。

ポイント②会社を良い状態に保つ

前述の通り、業績が良い会社ほど、買い手側から見た価値も魅力も高まるため、結果として価格も高くなるのは当たり前。そのため、譲渡・売却するまでは、常に、会社を良い状態に保っておく必要があります。それには、経営者の体調や意欲も非常に重要です。
また、譲渡や売却を前提にするからこそ、しっかりとした経営管理体制を構築しておく必要があります。もし、管理していく上で自社内に改善すべき点が見つかったら、可能な限り対処するようにしましょう。
さらに、営業体制の強化、借入の返済も積極的に行うのがベター。将来の収益性を高めることで、企業価値の上昇に繋がり、譲渡価格をより高くすることができます。

ポイント③欲を出しすぎない

特に、タイミング③「好景気のとき」やタイミング④「業界再編の動きが出てきたとき」に会社の譲渡・売却を検討する場合、次のオファーはもっと提示額が高いかもしれないと、欲を出してしまいがち。しかし、企業を取り巻く事業環境は日々変化していくものですので、結果としてタイミングを逃してしまい、最初にオファーを受けた価格の半分以下で手放すことになってしまう可能性もあります。
欲を出しすぎず、市場や業界の動向を見ながら、ピークの少し手前くらいで満足するのも、会社の譲渡・売却による利益を最大化させるためのポイントの1つです。

まとめ

繰り返しになりますが、M&Aでなるべく高く、かつ、良い相手に会社を譲渡・売却しようと思ったら、できるかぎり早く動き出し、余裕を持ってM&Aを行うのが重要です。 売りたいタイミングのギリギリになって動き出しても、満足いく結果にはなりません。
息子が会社を継ぐ気がない、役員・従業員の中に経営を任せられそうな人材がいないといった理由から、M&Aという選択肢が出た時点で、M&Aの仲介会社に相談してみるのがおすすめです。

信金キャピタルでは、会社の譲渡・売却を検討中の経営者様向けに、無料の個別相談を随時受け付けております。
まだ、「M&Aで会社を譲渡する!」と決めていなくても大丈夫です。M&Aの話を無理やり進めることは決してありませんし、ご相談いただく中で、M&Aが最適な手段ではないと判断した場合は、そうお伝えすることもございます。

貴社のM&Aの最適なタイミングを逃さないためにも、まずはお気軽にご相談ください。

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