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時価純資産を算出する

当社では、譲渡価格は「時価純資産」プラス「営業権」で算出しています。ここでは、先ず「時価純資産」の算出方法を説明します。

時価純資産の算出方法の概要

中小企業の多くは、納税を主目的として税法基準で会計処理をし、決算書を作成しているため、その貸借対照表は会社の実態を正しくあらわしていないことが多いといえます。
時価純資産の算出は、次のようなステップで行います。
時価純資産の算出方法の概要

次に、各ステップについて順番に説明します。

企業会計ベースに調整

非上場会社の場合、決算書が税務会計ベースで作成されている場合が大半であるため、企業会計ベースに調整する必要があります。
特に調整が行われる項目は、以下のとおりで、簿外負債もチェックする必要があります。

現金主義処理となっている損益を発生主義ベースに置き換える

例:「給与が15日締め、末払いで、支払い時に費用計上している」ものについて「15日~末日分を未払費用認識」とする

金融商品会計に基づく時価のある有価証券等の時価評価

例:「帳簿100の上場会社株式の時価が200」である場合、100の評価増をして200とする

減損会計に基づく不採算事業資産の減損

例:「赤字で回復見込みのない事業の設備」をスクラップ価格評価

賞与引当金の認識

例:「3月末決算において、賞与は1月~6月を支給対象として7月に300支払い」をした場合、1月~3月分を期間按分で150を引当金計上する

退職給付会計に基づく従業員の退職給付引当金の計上

例:「期末要支給額500で、対応する年金積立が300、引当なし」の場合、差額の200を引当金計上する

税効果会計による繰延税金資産負債の認識

その他各種引当金の計上

次のような含み損益があれば、これらを認識し調整します。

不動産の含み損益

不動産の含み損益

原則不動産鑑定士による評価とします。不動産鑑定士による評価が行われていない場合、相続税評価額(簡便的に正面路線価×面積など)とすることもあります。
絶対的な基準があるわけではありませんが、決めにくいなら鑑定評価を依頼することが適切です。

保険積立金の含み損益

解約返戻金と帳簿価額の差額などを調整します。

その他含み損益

上記以外にも含み損益について認識し調整を行いますが、評価が悩ましいものとしては、「滞留債権」「滞留在庫」「過剰在庫」「低稼働設備」「偶発債務」などがあります。


税効果の検討

税効果とは、会計上や評価上、利益や費用を認識するが、税務上は一定要件を満たすまで、益金や損金として認識されない事項があるときに、将来の課税の増加や、減少分を資産や、負債として認識することです。
これについても調整を行います。

例:土地に含み損100があった場合

評価上は、損失分100を認識する必要があるが、税務上損金となるのは、当該土地を実際に売却した時点である。
将来売却時に、税務上、100の損金算入が認められると、100×実効税率約40%=40だけ、将来の税金が少なくなる。
将来40の税金を減らす効果があるため、それに対応する40の資産(繰延税金資産)があると考える。
このような税効果を見る場合、最終的に時価純資産に与える影響としては 含み損△100+繰延税金資産40=△60ということになる。

税効果を巡るよくある争点

収益力が低い会社であると、税効果満額が実現しない可能性があります。
例えば、利益が10しかない会社が、100の含み損が実現したとしても、節税効果が限定的になってしまいます。
また、実際に売却しない予定のものについて、税効果をみる必要があるかも悩ましい点です。


時価純資産の算出

以上のステップで認識・調整を行うことで、時価純資産を算出します。

 項目 金額  備考
 簿価純資産  200  平成○○年○月○日現在
 土地の含み益  50  路線価と薄価との差額
 保険積立金含み益  10  解約返戻金と薄価との差額
 給与未払費用認識  △3  締め後10日分
 賞与引当金  △15  夏季賞与実績を期間按分
 退職給付引当金  △22  期末自己都合要支給額
 含み損益等計(B)  20
 税効果(C) △ 8  B×実効税率40%
 時価純資産(A+B+C)  212
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